ナマケモノの飛行訓練

記憶のすべてがかすんでみえる。うろ覚えでつづるひこうくんれん。

休みの残響、かも知れないね。・・知らんけど。

来週から鬼のスケジュールがやって来る。本日は家で仕事していて、その下準備なのだけれど、今ベランダでタバコを吸っていたら、すごくうららかでドゥドゥ、トゥトゥ、なんて珍しく山鳩なんて鳴いちゃっているので、作業を中断してこれを書いています。

 

大型連休で遊びまくったら、体調を崩してしまい、崩したといっても熱が出るだとか、なにか菌に感染しただとかいう具体的なものでもなくて、なんだか緩やかに具合が悪くなったり頭が痛かったりぼんやりしたり、肩こり、はいつものことだけれど、とにかくそういうがっつり病気になるというわけでもなく、だらだらと体調不良が続くということ自体が、なんとなく歳をとったなぁと感じる。知らんけど。

そういえば風邪なんか引いても、がっつり熱が出てすっぱり治る、なんてことも、少なくなった気がする。「歳をとると高熱さえ出す体力もなくなる。」といつだか誰かがいっていたけれど、それは真実なのかもしれない。知らんけど。

 

この、知らんけど、というのは、連休に関西方面に行って、かのじょの幼馴染の家で飲んだ時に、みんなが連発していた言葉で、別にわたしにもそれが感染ったというわけではないのだけれども、今思い出して、こうして言葉にしてみると、なかなか曖昧で、便利な言い回しだと感じた。

関東では何ていうの?と聞かれて、これは少し違うかも知れないけれど、かのじょが関東に来て、関東のひとが、「そうかも知れないね、」と言うのが、なんだか違和感があって、そんな言い回しは村上春樹の小説でしか聞いたことがなかったものだから、文章でしか読んだこともなく、本当に言うんだ、と、なんだか気取って聞こえたらしい。

 

で、その幼馴染のひとは、とても公明正大で明るくて、よく笑うひとだった。同席した友達の夫婦も同じくして気のいい人たちだった。その面子で小さなテーブルを囲み、お酒を飲んだ。夫婦の奥さんは妊娠中らしく、飲まずにいた。幼馴染のひとはシングルマザーということで、そのせいかどうかは“知らんけど”、ちょろちょろと八歳になる可愛らしい女の子がテーブルの回りを跳ね回っていた。ということで、そのメンバー六人で楽しいひと時をすごした。

 

大人がお酒を飲むと、おしなべて人の話を聞かなくなるもので、わたしは人の名前はろくに覚えないくせに、誰かが何かをいうと、最期までその話題に対する落とし所みたいなものを求めてしまうのだけれど、くだんの魔法の関西弁はそういう欲求を雲散霧消させてくれた。知らんけど。六人中五人が、関西弁でわたし以外の全員が、ペチャクチャペチャクチャ知らんけど、ペチャクチャペチャクチャ、知らんけど、やんややんや知らんけど。ガーHAHAHA!と豪快に笑っていた。すごく楽しかった。

 

帰りに外に出たら真っ暗で、まあ、真っ暗なのは夜だから当たり前なのだけれど、いやそれでも真っ暗で、真っ暗としか言いようのないほどに真っ暗で、田舎の夜の暗さというものを、すごい久しぶりに体験した。街灯なんて本当にそこだけスポットライトに照らされた舞台のように明るくて、それが暗闇の中でポツリポツリと道なり、おそらく道なりに点在していて、まるで谷内六郎の絵のような世界観で、そのことをかのじょに言うと、ベロベロに酔っ払った声で、知らん、と、その時はは“けど”が付かなかったので、この人は本当に谷内六郎を知らないのだなとおもった。しゅーかんしんちょーはあしたはつばいです、なんて歌うように言えば良かったな、あの真っ暗闇のなかで。

 

それはともかくとして、その街灯と街灯の間が、また同じ表現になるけれど、つまり真っ暗闇で、その光の縄張りを抜けたら黒い異空間みたいに、足を一歩踏み出しても地面につくまでそこが地面なのかすら疑わしいほどの暗闇で、光を後にして歩き出すと、すぐ隣にいるかのじょの顔さえもまったく見えなくなり、果たしてとなりで歩いているひとは本当にわたしの奥さんなのだろうか?この繋いだ手はかのじょに繋がっているのだろうか?なんて、真面目におもったりもした。

地元で、勝手知ったる道のりで、暗かろうが明るかろうが目をつぶっていても帰れるとかのじょは豪語していて、実際に目をつぶってみても、それから目を開けてみても同じ暗さを実感したので、わたしはそのかのじょのものすごく頼り甲斐のある言葉に安心して、手を握って、導かれるように歩いていると、だんだん隣にいるのが誰だろうと構わないような感じがして、誰だろうとこうしてわたしを暗闇から導いてくれているのだから、それは間違いなくわたしにとって、最も近しい人間なんだろうと、なんだか感動にも似た感情が込み上げてきた。

 

うららかで、途中ゲームとかしながら書いていたので、結局こんな時間になってしまった。推敲もしてないし、読みかえしてすらいないので後からする、とも言えなし、たぶんしないので誤字だらけ“かも知れないね”、だけれど、それで誰が困るわけでもないでしょ。知らんけど。

 

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