ナマケモノの飛行訓練

記憶のすべてがかすんでみえる。うろ覚えでつづるひこうくんれん。

忘れられないテキーラ

 夕食にサーディンと椎茸のパスタをいただき、白ワインをひと瓶空ける。吞みたりないぶんはきのこの山の小分けパックをつまみにアサヒの350ミリ缶で埋める。バラエティ番組のさわがしい声を子守歌に舟をこぎ、戸外に聞こえる優しい雨音でなぜか目が覚めてしまう。

 だいたい二日か三日に一度のペースで同じような分量を呑む。安い白ワインか、でなければ缶ビール。日本酒は滅多にやらない。日本酒は居酒屋で呑むほうが美味しい。焼酎はまったくダメ。一応休肝日は取っているが近頃うたた寝は多くなった。

 ところで今朝聞いた、記憶をなくすほどに呑むひとは、ボケる確率が高くなるという話は本当だろうか。まあ本当だとしてもどうにもできないが。そもそも酒飲みがいちどたりとも記憶を無くしたことがないというのはあり得るのだろうか。どんなに気丈かつウワバミな輩だって、日々呑み続けてさえいれば遅かれ早かれ記憶のひとつやふたつ、一度や二度の失態くらい経験するものではないだろうか。いやむしろ酒好きはそのくらいでないと、張り合いがないではないか。

 いつからお酒を美味しいものだと感じ、いつからお酒が呑みたいと思うようになったのだろう。ちょっと前までビールなんて苦いだけだったし、風呂上がりにあう飲料は、絶対的にピルクルだと自負していたはずだったが、そうですか、あれはもう十五年以上前ですか。そうですか。

 本当に歳を取ったなと感じる。今ではベルモットを食前酒にする。時々シェリーを飲む。飲みものをベースに食事を決める。近所のよく通う店はアルゼンチン料理を出す。そこでは赤ワインを飲む。決して高価なものではないがオーガニックワインがある。ビールならタコスが好い。でなければ麻婆豆腐。中華街にはとびきり辛いやつを食べに行く。日本酒には蕎麦。白米は〆で、必ず漬け物をお供に。友人とは決まって飲んだくれる。時にはヘミングウェイの小説さながらに。

 そういえば近頃は安酒ばかりだ。夏前に友人が持ってきたテキーラが忘れられない。スッキリと香りの良い味だった。たっぷり揃ったフルーツの盛り合わせと共に、一晩で空けてしまった。確か、マラカメといったか。

 

マラカメ アネホ 750ml 【テキーラ】

マラカメ アネホ 750ml 【テキーラ】

 

  ああ、これ、これ。忘れないように置いておこう。なるほどこういう場面で使うのか、なかなか便利な機能だなと、今更ながら。